白髪が気になる…! 抜いたらまずいのでしょうか
最近白髪に悩んでいるお客様とよく話していて聞かれることとして、「白髪を抜きたいけど増えてしまいますか?」という疑問があります。「気が付くと増えている」というのが白髪で、ある意味恐怖の対象ですから「抜くとますます増殖するのでは」というイメージを持たれているのかもしれませんね。今回はその白髪の都市伝説(?)について、お話ししていきます。
「白髪は、抜いたら増える」というのは本当?
直接増えるという科学的根拠はない、しかし・・・
まず言えることは、「白髪を抜いたら白髪が増える」(→他の黒い髪も白くなってしまうということ)ということは全く科学的な根拠もなく、普通は起こりえないということです。基本的には「都市伝説」に過ぎないのでご安心ください(笑)。
確実に言えることとしては、「白髪を抜いた後に生えてくるのは、白髪である」ということです。抜くことで一時的に白髪が一本減ったとしても時間が経てば一本増えるのですからプラスマイナス0本ということで、実質的に白髪が増えることはないということになります。
なぜ白髪が増えてしまうように見えるのか
しかしそれでも、感覚的に「白髪を抜いていくうちに白髪が増えているように感じる」という人が多いからこそ、「抜いたら増える」という都市伝説が生まれたはずです。なぜそう感じるのでしょうか?
白髪自体は抜いて、また生えてくるのとは別に加齢その他の理由で増えていくので、抜いたことにより差し引きゼロだったとしても、全体としては放置していくとどんどん増えていきます。抜いた本人としては「(抜いて)減らす努力をしているのに増えている」ということになり意に反しますし、それが「抜くと増えていく」という見方につながってしまっているのかもしれませんね。
白髪を抜くことで起こる「実害」とは何か
毛根や頭皮にはこんなダメージを受ける
白髪を抜くということは(また白髪として生え変わるのですが)一時的には白髪を一本減らすことになります。しかし頭皮や毛根に大きなダメージを与えてしまうのでお勧めできません。
実は髪の毛というのは一つの毛穴から平均3本前後生えていて、そのうちの一部(一本)が白髪になっているというケースがほとんどです。同じ毛穴の白髪を抜いてしまうことによって、毛穴には多くの場合炎症がおこってしまいます。その結果残った同じ毛穴の黒髪もダメージを受けてしまったり、次に生えてくる白髪自体も変形してめだつようにはえてきたりするものです。(これで増えたように見えるのでは…という考えもあります)
また最悪の場合は毛穴の下にある毛細血管を傷つけてしまい小さな出血を起こすケースも起こります。そこから細菌が入ることもありますので、むやみに白髪を抜くのは頭皮と毛根それぞれにダメージを与えると思っておきましょう。
実際に白髪が増えることにつながるケースも。
その結果少数ではありますが、「同じ毛根を持つ隣の毛」の毛根細胞にダメージを与えてしまい、黒髪の元であるメラニン色素を作らなくしてしまう可能性も否定はできません。実際に隣の黒髪まで将来は白くしてしまう…という可能性もないとは言えないわけです。いずれにせよ、白髪を抜いてしまうことでプラスの面はまずないと思っていいでしょう。
それでは白髪を見つけたら、抜く代わりにどうすればいいのか?
まだ白髪の本数が少ない場合は?
どうせ抜いても同じ白髪が映えてくる、と考えれば根元から切ってしまっても同じことだという発想があります。(抜いても毛根細胞は残るので多少の時間稼ぎにしかなりません)
まだ白髪がほとんどなく本数が少ない場合、どうしてもそれが気になるというのであれば抜くのではなく、根元から切ってしまうのがいいでしょう。伸びてくるまでの数か月間はそれでも目立ちませんし、これは抜く場合とあまり違いはありません。頭皮にダメージを与えずに、できるだけ食事や生活習慣で「白髪になりにくい体質」を作るのが得策と言えます。
白髪が増えてきたときに、どう向き合うのか。
それでも年齢その他の理由で白髪が増えていくのは仕方がないといえます。その場合は頭皮にダメージをできるだけ与えない形での白髪染め、ヘアカラーをすることをお勧めします。無理をして抑え込むことはせずに存在を認めて向き合うということですね。逆にメッシュなどで白髪の存在を生かしていくお客様もかなりいらっしゃいます。
最終的にはだれもが向き合っていかなければいけないのが白髪というものだと思います。どこまでは押さえ付け、どこで受け入れ、どこから生かしていくのか、その見切りと割り切りが大切と言えるのではないでしょうか。